今日は大学近くの蓮沼川と花室川を調査. 田園部にいくと最近,こういう川ばかり目にします.
河川の維持管理状況について予備調査.調査は研究室の大学院生に手伝ってもらいました.
実際に河川事務所で使われている堤防点検票を用いて,予備調査.
(堤防や護岸は欠陥点が確認できるよう,草が刈られていたほうが点検しやすくよいとされています.根もしっかり張ってくれると堤防を浸食されにくくする効果もあります.)
草刈りはほぼ皆無のいなかの中小河川. 維持管理の点検項目のほとんどが確認できず.
一級河川の国管理部分は年2回草刈りが行われていますが,都道府県管理や市町村管理になるとなかなかそうはいかない現状があるようです.
河川の草刈りについての研究セミナーがあるということで,夕方から東京へ.河川財団が主催する,河川研究セミナーです.
今日のテーマの一つの「堤防植生管理の現状・課題と対策」これが聴きたく,行ってきました. https://www.kasen.or.jp/news_study/itemid038-000463.html
面白かったのが堤防を覆う植生のタイプの話.
①堤防植生タイプの話 シバタイプ,チガヤタイプ,外来牧草タイプとあり,持続可能な維持管理にはチガヤタイプに移行させていくべきではないかとの意見も.
②堤防植生にカラシナは最悪 堤防管理にとって,最も最悪なのは,菜の花として知られる,カラシナ.大根のように根が肥大化し,堤防をどんどん空洞化していくそうです.土手沿いの菜の花がきれいだー.とよく住民の人から愛でられていますが,色々考える必要があります.
③各管内で堤防の優先植生タイプの把握を 河川事務所は管内の堤防の堤防植生タイプ区分調査を実施しているだろうかとのこと.植生タイプが分かれば,それに伴う予算要求の根拠も示しやすくなるのではと意見が出ていました.
④福島の川の維持管理 質疑応答の際に福島河川の方が2011年3月以降,草刈りが満足に行えず,堤防が木本化し,下草がなくなりつつある.と悩みを吐露していたのが印象的でした.
人口減少社会に突入し,ますます河川管理に投資できる費用が縮小していく中,どのような管理水準を保ち,国土を健全に保つか模索していく必要がありそうです.