top of page
検索
T.S

公共事業は法に叶い,理に叶い,情に叶うものであれ


下筌ダムの蜂の巣城紛争をご存じでしょうか?

日本の公共事業のあり方を世に問うたこのダム反対運動は崖に砦まで築かれたことから「蜂の巣城紛争」とも言われています.

そんな反対派と建設省との闘いを描いた舞台演劇が東京芸術劇場で始まりました(3月1日~6日)

http://www.tomproject.com/peformance/toride.html

九州地方整備局の方から情報提供してもらったので早速みてきました.

映画と違い,リアリティの強い迫力に圧倒され,あっというまの1時間50分でした.

途中から住民に迷いが生じ,反対派のリーダー室原氏が孤立化していく様子,ダム建設の立場でありながら,室原氏の身体のことを気遣う福島所長.

それぞれの感情を俳優陣が絶妙に表現しており,途中から両方の立場の気持ちに感情移入してしまい,涙と鼻水が止まりませんでした.

舞台の最後のほうで,室原氏が「公共事業は法に叶い,理に叶い,情に叶うものでないといかん」というフレーズがありました.これは下筌ダム付近にある室原氏のお墓の前にも碑があり,室原氏が大事にしていた言葉でしょう.

公共事業のあり方を考える機会となったこの紛争のことを忘れないよう,ダム湖名は「蜂の巣湖」と命名されました.

ダムにある看板の字は反対派の蜂の巣城の看板の文字をかたどったものです.これは室原さんを最後まで気遣っていた福島所長のせめてもの計らいでしょう.

4月からダム管理者になる後輩と見に行きましたが,「国家として法に叶うのは最もだけど,その上で情にも叶うようにとは実際は大変難しそう」と悩みながらも感動したようでした.

弱者の気持ちに寄り添いつつ,合意形成を図り,常に犠牲に対する詫びの気持ちと感謝の気持ちを兼ね備えた国民の利益を最大限に反映しようと奮闘するダム管理者になってほしいと思います.

これ九州(筑後川)でもやってくれないかなあ.多くの人にみてもらいたい.

----------------------------------------------------------------------------------------- 蜂の巣城について詳しく知りたい方は http://ayu.xii.jp/miku10/mikuma14.htm http://damnet.or.jp/cgi-bin/binranB/TPage.cgi?id=421


閲覧数:1,399回0件のコメント

最新記事

すべて表示
bottom of page